コバへのこだわり

こんにちは。
リュテスの高橋です。


今回は、コバについてのお話。


  • コバとは
  • コバを作る目的
  • 理想のコバ
  • コバの作り方


コバとは…


コバ=革の切り口


コバとは革を切った際の断面のことを差します。


布は縦糸、横糸を織り、1枚の布を作りますが
革の場合は細かい繊維が複雑に絡み合っています。
布は切った場所がほころびますが
革は繊維が絡み合っているのでほころびません。
革が丈夫と言われている所以はここにあります。


コバを作る目的…


先ほど触れたように、革はどこで切っても丈夫なので
コバ仕上げをする必要もありません。


切りっぱなしのものも
それはそれで魅力があります。


しかし、コバを仕上げることで
仕上げをするのとしないのとでは、少し差が出ます。
防カビ、防水などの効果
触れた時の滑らかな手触り
色を入れることにより
全体の雰囲気なども差が出てきます。


この少しの差が
作品を作る上で
大きな違いへと発展することに
なっていきます。


なので、時間がかかる工程ではありますが
ぜひ、最後まで読んでいただき
参考にしていただければと思います。

理想のコバ…


理想的なのは
コバが滑らかに仕上がっていることが大事です。


やはり、手にした時に
滑らかな質感のコバが再現できているだけで
ユーザーの得る満足感は
大きく違ってきます。


何に置き換えても同じですが
使う人の気持ちになって
より良い仕上げをするのが
理想的だと言えるでしょう。


コバの作り方…


さて、ここからが本題です。
如何にしてコバを作るのか


今回はリュテスで一番人気のお財布
Carvaマネークリップ財布/mcw-01の
コバを仕上げていきます。


ー注意ー
イタリアの”ミネルバリスシオレザー”という素材を使います
素材としてはヌメ革よりも油分が多く含まれた
柔らかめな素材での解説です。
大事なのは下地を仕上げる事


まず耐水ヤスリを用意します。


#120  荒い
#240
#400
#1000 細かい


数字の少ない方が荒いものになります。
荒い番手から
順を追ってヤスリがけをしていきます

番手はあくまでも目安です。
近い番手のものを揃えていただければ大丈夫です。
ポイント!
ヤスリがけは力を入れすぎてはいけません
荒目の時は少し強めに、細かい目には優しく
を心がけてください
では、始めましょう
右は何もしていない状態
左は#120→#240で磨いた状態

ポイント!
平面のコバに対して
平行にヤスリをかけて
この状態だと削った際の角に”バリ”が出ます。
このバリを”ヘリ落とし”という道具で
角を落とします。


ヘリ落としについては
一言いわせてください
「Palosanto tools」を買ってください。


今まで比較的安価なヘリ落としを
20本以上使ってきましたが
全てオススメはできません。


パロサントさんのヘリ落としを買っておけば間違いありません。


と言い切りたいです。
長い目で見れば絶対にお得です。
バリを落としたらこんな感じで角が取れました。


今度はヘリを落とした部分も含め
#120、#240で磨いてください。
ポイント!
ヘリを落としたコバに対して
丸く弧を描くようヤスリをかけてください
さらに#400で磨いてください
ポイント!
引き続き
丸く弧を描くようヤスリをかけてください
ここで一度
トコノール、ふのりなどの磨き剤を塗って
一度磨いてみます。
オススメはトコフィニッシュ。
透明で水分量が多く、スポンジに含ませて使えるので便利。
スリッカーなどがあると良いですね
様々な革の厚みに対応している
協進エルさんのスリッカーが良いです。
さらに#1000で
全体を磨き
納得できる状態になるまで磨いてください。
こんな感じで良いでしょう。

あとは染料→ロウを入れて仕上げても良いかと思います。




こんな感じで
今回はコバの作り方をご紹介いたしました。
みなさんそれぞれのやりやすい方法で良いので
コバはしっかり作ってくださいね。

最後までお読みくださり
ありがとうございます。


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お役に立てるよう
革に関する情報を記事にして行きたいと思います


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