革の断面を念入りにヤスリがけすることで、永久的に毛羽立ちを抑えます
カテゴリー: 作業
世界のレザークラフト講座「3選」
世界には、非常に多くのレザークラフターが存在し 高い技術を持った職人が、インスタグラムなどのsnsを使って 世界に向けて発信しています。 個人が気軽に情報発信をして 世界中の同じ興味を持った人々が集まり 情報共有しています。 そんな中で見つけた レザークラフターにとって大変有益な How to動画を提供してくれる You tubeチャンネルをご紹介いたします。 今回も知っている方が多いかもしれませんが 見たことがなかった方には 大変有益な情報になりますので ぜひ、今後のレザークラフトの発展に 役立てていただければと思います。
leathercraftmasterclass たしか、イギリスの方だと思いますが すごい技術を持っていて わかりやすく参考になります。 https://www.youtube.com/channel/UCiVo2Pi5qrbtsuo6JvDDokQ ホームページも見た方が良いです https://www.leathercraftmasterclass.com HahnsAtelier 色々な面白い形を再現していたり You tube動画を頑張って出してくれているので 参考になると思います。 https://www.youtube.com/channel/UCJYSHaxWbDhYgh-PH0nashw Q PiCa 中国系の方の動画で、詳細は調べてもわからないのですが 個人的にはお気に入りで、大変有益な動画ばかりで、参考になります。 https://www.youtube.com/channel/UClt6IZr773iIo_m7AjXTgDQ
革漉きHOWTOー革包丁を使って革を薄くするー
こんにちは
リュテスの高橋です
今回は簡単な革漉き方法のご紹介です
革漉きをすることで
作品作りの幅が広がりますので
基本的な革漉き方法を覚えていただければ嬉しいです。
「革を漉く」
とは、革を薄くするということで
革の重なりによる厚みを軽減するための斜め漉き
や
折り曲げるために薄くする段漉き
全体を均一の厚みにするベタ漉きなどがあります。
中でも多用するのは「斜め漉き」
まずは動画をご覧ください。
point ! 最初にガイドラインを引くことにより 無駄のない確実な漉きが可能となります。
- 漉きたい幅を決め 刃先を45度くらいに置く そのままスーッと横にスライドさせ 軽い切り込み(ガイドライン)を引きます
- ガイドラインを引いた後は 刃を少し斜めから入れて 一気にスライドさせます
漉き作業は刃先の切れ味が大事なので 余った端革の床面に青棒を擦り込み 刃先を磨きながら作業すると 切れ味が持続します。 簡単な革漉き方法のご紹介でした。 是非取り入れてみてくださいね。
ネン引き フチネン
こんにちは。 リュテスの高橋です。 今回はネン引きについて 触れてみたいと思います。
- ネン引きとは
- ネン引きの道具「フチネン」とは?
- カーブのネン引き
- フチネンの使い方
ネン引きとは

ネン引きは、額縁のように 革の端の部分に線を引き 全体を引き締める”飾り”となり 作品の見た目に大きく反映される デザインの一部ともなります。

ネン引きの道具「フチネン」とは?
ネン引きの道具として「フチネン」と言うものがあります。 フチネンの先端の形状は 左側が高さがあり 右側が低くなっています。 革のフチに左側の歯を合わせることにより右側の歯で線を引くことができます。 また、幅もあるのでお好みのものを選ぶようにしてください。

こちらはアマゾンで購入。
https://amzn.to/2TJccYD
1,5mm幅でネン引き。これは使えます!

カーブのネン引き
こちらは真鍮棒を削って作ったオリジナルネンです 直径4mmの真鍮丸棒を、ダイアモンドヤスリで削り 好みの幅や高さなど、微調整が可能で とにかく丸みのあるラインにネン引きする際に 小回りが利きまくって、活躍している道具です。

フチネンの使い方
フチネンは、先端の金属部分を適温に温め 革にスーッと線を引くようにネンを入れます。 一般的なのはアルコールランプで先端を熱しますが
僕の場合は、長時間の作業が続くと うとうとしてしまうことがあり、火災の原因にもなりかねないので 安全対策でホットプレートで熱しています。
https://amzn.to/3d3OAFW このホットプレートはネン引きだけでなく オイルレザー系へのスタンピング刻印や アルファベット刻印など 金属製のあらゆる道具をまとめて加熱可能 焼印が簡単にできます。(手袋必須) サイズも四角い形とスリムサイズで大変使いやすいので オススメです。

とまあ、色々ご紹介しましたが ネン引きは作品のグレードを確実に上げるので 是非挑戦してみてください!
レザークラフト初心者の方へ 渾身の1冊!
こんにちは。 リュテスの高橋です。 レザークラフト を始めるにあたり どうやって技術を習得すれば良いのか。 参考にしていただきたい書籍のご紹介です。 僕がレザークラフト を始めたのは 2000年のことなので レザークラフト が詳しく紹介されている教本は ほとんどありませんでしたが 1冊だけ、「手縫い」について詳しく解説されている 唯一の本がありました
手縫いの真髄です。
工芸ですよ。そんじょそこらの知識で書いた本ではありません。 著者の矢澤十四一さんは、吉田吉蔵さん(吉田カバン創業者)に師事 特に箱物作りに長け、レザークラフト の基礎的な知識 貴重な技法を、図解を使ってわかりやすく教えてくれます。 レザークラフトは、基礎だけ分かれば 誰かに教えてもらうことは何もありません。 教室などに通うこともありません。 基礎だけ覚えれば十分です。 僕もそうしました。 今でこそ、様々なレザークラフフト教本が出ていますが 矢澤先生の本を超えるものはないと思っています。 迷うたびに、この本のページをめくれば 矢澤先生が答えをくれるはずです。
コバへのこだわり
こんにちは。 リュテスの高橋です。 今回は、コバについてのお話。
- コバとは
- コバを作る目的
- 理想のコバ
- コバの作り方
コバとは… コバ=革の切り口 コバとは革を切った際の断面のことを差します。 布は縦糸、横糸を織り、1枚の布を作りますが 革の場合は細かい繊維が複雑に絡み合っています。 布は切った場所がほころびますが 革は繊維が絡み合っているのでほころびません。 革が丈夫と言われている所以はここにあります。
コバを作る目的… 先ほど触れたように、革はどこで切っても丈夫なので コバ仕上げをする必要もありません。 切りっぱなしのものも それはそれで魅力があります。 しかし、コバを仕上げることで 仕上げをするのとしないのとでは、少し差が出ます。 防カビ、防水などの効果 触れた時の滑らかな手触り 色を入れることにより 全体の雰囲気なども差が出てきます。 この少しの差が 作品を作る上で 大きな違いへと発展することに なっていきます。 なので、時間がかかる工程ではありますが ぜひ、最後まで読んでいただき 参考にしていただければと思います。
理想のコバ… 理想的なのは コバが滑らかに仕上がっていることが大事です。 やはり、手にした時に 滑らかな質感のコバが再現できているだけで ユーザーの得る満足感は 大きく違ってきます。 何に置き換えても同じですが 使う人の気持ちになって より良い仕上げをするのが 理想的だと言えるでしょう。
コバの作り方… さて、ここからが本題です。 如何にしてコバを作るのか 今回はリュテスで一番人気のお財布 Carvaマネークリップ財布/mcw-01の コバを仕上げていきます。 ー注意ー イタリアの”ミネルバリスシオレザー”という素材を使います 素材としてはヌメ革よりも油分が多く含まれた 柔らかめな素材での解説です。
大事なのは下地を仕上げる事 まず耐水ヤスリを用意します。 #120 荒い #240 #400 #1000 細かい 数字の少ない方が荒いものになります。 荒い番手から 順を追ってヤスリがけをしていきます 番手はあくまでも目安です。 近い番手のものを揃えていただければ大丈夫です。
ポイント!
ヤスリがけは力を入れすぎてはいけません
荒目の時は少し強めに、細かい目には優しく
を心がけてください
では、始めましょう

左は#120→#240で磨いた状態
ポイント!
平面のコバに対して
平行にヤスリをかけて
この状態だと削った際の角に”バリ”が出ます。 このバリを”ヘリ落とし”という道具で 角を落とします。 ヘリ落としについては 一言いわせてください 「Palosanto tools」を買ってください。 今まで比較的安価なヘリ落としを 20本以上使ってきましたが 全てオススメはできません。 パロサントさんのヘリ落としを買っておけば間違いありません。 と言い切りたいです。 長い目で見れば絶対にお得です。
バリを落としたらこんな感じで角が取れました。

今度はヘリを落とした部分も含め #120、#240で磨いてください。

ヘリを落としたコバに対して
丸く弧を描くようヤスリをかけてください
さらに#400で磨いてください

引き続き
丸く弧を描くようヤスリをかけてください

こんな感じで良いでしょう。
あとは染料→ロウを入れて仕上げても良いかと思います。

今回はコバの作り方をご紹介いたしました。 みなさんそれぞれのやりやすい方法で良いので コバはしっかり作ってくださいね。
最後までお読みくださり ありがとうございます。 このブログがすこしでも お役に立てるよう 革に関する情報を記事にして行きたいと思います よろしければ「手仕事ブログ」を ご登録いただければ幸いです
革漉き

革製品を作る際に
「漉き」
という作業があります
漉く=薄くする 薄く漉くことにより 革の重なりによる 厚みの軽減を行います レザークラフト に ある程度慣れてくると この作業は必須となります 厚みを調整しなければ 野暮ったい作品にしかなりません 革の重なる部分には 効果的な漉きが必要です
ではどのようにして革漉きを行うのか…
1...革漉き機を導入する 2...漉き専門店に依頼する 3...革包丁や専用工具で漉く
以上の3つの方法の中からお話ししていきたいと思います
1... 革漉き機については効率的で量産に向いています プロとなれば1つのパーツだけでも 大量にカットし漉きを行う工程だけでも 1日がかりになったりします 量産目的であれば 革漉き機を導入するべきです 新品~中古まで色々あります 検索してください
2... 漉き専門店に依頼することは より効率的です 部分的な漉き~ベタ漉き(全体を均一に漉く)まで 1枚当たり数十円で 指示通りに漉いてくれます ただ、サイトを運営している会社は少ないので 代表的な漉き屋さんだけご紹介いたします 浅原皮漉所 https://kawasuki.jp 伊東金属 https://ssl.itokinzoku.co.jp/kawasuki2.html 伊東さんは何度か依頼しており、お気に入りです コバ漉きではなく”ベタ漉き”のみ 受け付けております
3.... 革包丁や専用工具で漉く これが一番手軽ですね 革包丁は安くて高品質(青紙1号)な秀次さんがオススメです 漉きには幅広の方が良いかと思います 秀次 https://www.kawazairyo.com/?pid=116379783 工具はパロサントさんに限ります こちらはフレンチエッジャーです Palosanto https://www.kawazairyo.com/?pid=138713496 カッタータイプも使いやすそうですね スーパースカイバー https://www.leathercraft.jp/item/3702/
僕の場合はというと 20年もやっていて コバ漉きに関しては 実は革包丁のみです 慣れれば、意外と早くこなせるので 機械はいらないですね これが一番安くて効率的なのでオススメです ただしベタ漉きは均一に仕上げることはできないので 先ほどの伊東金属さんや 大きめサイズの革であれば 墨田革漉工業 http://www.sumidakawasuki.com にお願いしています 地方在住の方の場合、革漉きは送料だけでもお金がかかりますよね ベタ漉きに限って言えば ネットで革を購入する場合 各店舗が、1枚500円程度で 漉きのサービスをやっているかと思いますので 必要な厚みに分割して漉いてもらうのが 一番安上がりだと思います